ギフテッド/トレラ

facebook

代表ブログ

発達障害の基本的理解。ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動性症)、LD(学習障害)わが子を知ることで生活はグッと楽になる。

  • 2018年4月6日
  • みなさん、わが子のことどれぐらいちゃんと理解していますか?

     

    いやほんとに。

    私は障害のあるなしに関わらず、全てのお母さんに考えて欲しい。

    なんとなくではなく、きっちりその子を理解した上で子育てをしてほしい。

     

    私のところに来る、子育てのそうだんの90%以上は男の子です。

    脳の構造やオキシトシンとの関係から、特性が男の子に出やすいということも当然ありますが。

    基本的には、ママが『男の子』であるわが子を理解できない。というところが問題の中心になっている場合が多いです。

     

    そこで今回は、いわゆる発達障害がどんな物なのかを、これぐらいは理解していて欲しい!という入口だけお話します。

     

    クリックすると新しいウィンドウで開きます

    まずはASDから。

    ASDとは、以前はPDD、広汎性発達障害などと呼ばれていましたよね。特性がさまざまになってきたのでアスペルガー症候群などと大きくまとめてDSM-5からはASD、自閉症スペクトラム症と言われるようになりました。

     

    クリックすると新しいウィンドウで開きます

     

    PDD時代は、社会性の障害。コミュニケーションの障害。こだわりの障害と、よく三つ組みの障害、といっていましたが、これも現在はコミュニケーションの障害とこだわりの障害の2つになっています。

     

    コミュニケーションの障害もこだわりの障害も実はよく似た原因が考えられていて、どちらも『想像力が乏しい』という障害の特性があります。

     

    つまりコミュニケーション上では、字義通りに受け取ってしまうのです。例えば。

    Aくんが段ボール前に困っています。「カッター持ってない?」とAくんはBくんに尋ねました。

    Bくんは「持ってない。」と答えて、おもむろにカバンからハサミを持ちだし、自分の封筒を切り始めました。

     

     

    このようにBくんにとっては、「カッター持ってない?」の質問は、所有の確認なのでまじめに答えているのです。ただAくんからしてみるとなんだよ!ハサミもってるなら言えよ!とケンカになるわけです。

     

    このようなことが日常的に起きる。1つのことから、我々は複数のことを読み取りながらコミュニケーションを取るわけですが、なかなかそれが難しい子どもたち。毎日が大変なんです。わかってやってくださいね。

     

    また、同じじゃないと許せない。というつよいこだわりがパニックを生みます。特に小さい頃に強く出る傾向にありますが、仮に毎日、同じミッキーのコップを使っていたとして、その子にとってはコップ=ミッキーのやつ!という意識がすり込まれていれば、ある日、突然に違うコップに替えられたら、なんじゃこりゃー!もう一生、水が飲めないーー!となるわけです。

     

    よく似た形状だし、大丈夫でしょ?と安易に考えてはいけません。イメージ、想像力の乏しい彼らには大事(おおごと)なんです。

     

     

     

    ASD児への関わりポイント!

    1 言葉の裏にある心理の読み取りは難しい。気持ちや、するべきことは前後関係も含めて説明する。

     

    2 突然の変更はパニックを起こす。徐々に徐々に慣れさせる事が大切。でもパニックを恐れて変化を経験させないのもダメ。

     

     

     

    ADHD児について

    私は、彼らがもっとも誤解を受け、苦しんでいるのではないかと思っています。ADHD注意欠如・多動症とは、じっとしていられない。忘れっぽい。などの困り感があります。その原因は、脳の神経伝達物質の異常と考えられ、その調整薬を服薬することにより改善します。

    クリックすると新しいウィンドウで開きます

    ASDと違うのは、間違いがパターン化しないということとです。不注意や衝動性から間違えたり、失敗したりするので、なまじ出来る時があるものだから、親や先生から『もう!もっとよく見なさい!』とか『勉強に身が入っていない!』とか・・・散々、いわれ続けます。

     

    その結果、反抗挑戦性障害という二次障害を併発します。衝動的に、相手の嫌がるようなことをいってしまう。自分の意思とは関係なく反抗的な態度を取ってしまうのです。

     

    よく失敗の仕方をみてあげてください。テストの解答にうっかりミスが多い。漢字やひらがなが枠に入ったり入らなかったりする。こんな間違いが多い場合には、わかっているけど間違ってしまう。植木等状態にあるわけです。その子どもたちに繰り返す練習や読み書きの訓練をしても全く効果がないどころか自尊感情を下げ、二次障害を誘発するだけです。

     

    もう1つ忘れてはいけないのが不注意優勢型(旧ADD)についてです。ADHDときくと、バタバタとジッとしていられない子を想像しがちですが、実は、ゆっくりで先生のいっていることを聞き漏らす。集中力が続かず、外をぼーっと見ている。といった不注意優勢型の子も多くいます。

     

    しかしそれが、幼稚園や保育所だと、ちょっと大人しい子だ。という程度の認識で放置されてしまいます。小学校に上がって、あれ?全然ノートが取れていない。連絡帳が書けていない。などから難しさが発覚し、支援が後手後手にまわることがあります。幼稚園や保育園で問題ないですよといわれても、気をつけて見ておかなければなりません。

    ADHD児への関わりポイント

    1 理解出来ているが失敗することがある。静かな部屋で学習する、ミスしないためのメモの用意など、周辺の環境整備が重要。

     

    2 基本的な生活リズムを整え、必要に応じて服薬する。健全な体をつくり健全な精神状態を担保することが重要。

     

     

     

     

    LD(学習障害)について

    LDは、文部科学省の定義では、読む・書く。聞く・話す。計算する・推論する。のいずれかに困難さを示すとなっています。困難さとは、おおむね学年から1~2年程度の遅れとなっています。こうなると気になる子は全て、LDに該当してしまうのではないか?と否定的な意見もありますが、枠がないとサポートしない風潮にある、日本においては、あえて広くLDを捉えることで合理的配慮を行き届かせる狙いがあります。

     

    特に音読などにつまずきが出ることが多いです。これもただ単純な繰り返しでは、自尊感情を低下させるだけです。どこを読み間違っているのか、どのように間違っているのかをしっかりと考えてあげましょう。それは本人にはわかりません。丁寧なアセスメントが必要です。

    書きも同じですね。さきほどのADHDのようにバラバラに間違いがでるのか、パターンで間違いがでるのかチェックする必要があります。「よく見て!ていねいに書きなさい!」は禁句中の禁句です。

     

    計算も同じです。さくらんぼ算あたりから見立てができなくなり、指折り数えないとできない、つまり数字を順番に数えないと計算出来ないといったつまづきが出てきます。また文章問題は、まず読んで、イメージし、立式したのちに計算するといった複雑な思考をしなくてはなりません。これらのどこにつまずきがあるのかを丁寧にみる必要があります。くわしい先生が身近にいると本とはいいのですが・・・。

     

    LD児への関わりポイント

    1 どこをどのように間違っているのかの分析をていねいにする。できれば特別支援の専門的知識のある先生に相談する。繰り返しや本人の意識を高めるのは御法度!

     

    2 スリットを使う、指さしをする。問題を分解するなど具体的なサポートの徹底。みんなと同じ学び方にこだわる必要はない。タブレット等もフル活用しましょう。

     

    最後に、お詫びも兼ねて・・・。

    いつもながらの乱文をお許しください。また文字サイズや太字にする部分もバラバラです。これが私のADHD特性ですよね(笑)

    また次回以降、もっと詳しく特性にあわせた学習方法等ご紹介していきたいと思います。

    絶対に、『みんなと一緒』にこだわらないでください。『結果』にこだわりましょう。スポーツクラブも月額でダラダラ通うのではなく、個別指導で結果にコミットする時代です。

    我々も結果にこだわって、一人一人にオーダーメードで関わって行きたいと思います。